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浦安市 中町人 液状化対策

市街地液状化対策について、住民参加で進めていくための備忘録・整理の意味でまとめています。

液状化対策のターンニングポイント

今川3-13街区に対して格子状対策の正式打ち切り通知が1/14付けで市からありました。
この機会に再度、検討されてきた格子状地中壁工法の検討から学んだことを整理してみます。
ひとには多種多様の事情があり、合意形成がいかに難しいかは当然としても、共通認識は何かという点でまとめておくことはこれから検討される人には意義あるものとの思います。

当街区の住民を含め、液状化対策を市民が望んでいることは間違いない事実ですが、行政に任せきりであまり詳細について知らない人が多いことも事実です。当地区は他に隣接住戸のない18戸というまとまった地区のため、街区内の住居に集まってもらい、ひざ詰めの会議を進めてきました。液状化対策室から示される資料・検討案の具体的提示を受ける度に知識は深まり、回数を重ねることで様々な問題点が出てきました。全戸の実施合意に至らなかった主なる理由は過日記載の通りです。ここでは、そもそも今進めている格子状液状化対策で得られるベネフィットは何か、それは確実なものなのかについて、住民ははじめから理解していたわけではないので、基本的な事実認識と経過について整理をしていきたい。その事実とは、国が公式に表明している見解をベースとするのが妥当であろうということでまとめてみました。
  1. 国交省は液状化対策として、地下水位低下浅層工法と格子状地中壁工法の2つを有効な手法としている。その中で浦安市は他市の選択とは違う格子状地中壁工法を選択した。
  2. 国交省ガイダンスは、高洲実験で行った地下水位を地表から5m下げる揚水式工法ではなく、道路に暗渠を掘り有孔管を通し地表から3m程度、地下水位を下げる地下水位低下浅層工法を第一選択としている。
  3. 浦安市は地下水位低下浅層工法では地盤沈下を引き起こすため妥当な手法ではないとしてこれを除外し、格子状地中壁工法を選択した。その理由について大多数の市民が同意していたのかどうかは別として、当初はその考えを支持する市民も多かったのかもしれない。
  4. 当地区においても、そのような行政主導の流れの中で、いち早く手を挙げ、調査・説明会開催等に協力の姿勢をとり、最終的な提案説明を受ける段階までに至った。
  5. 最終段階で問題となった過日記載の理由の中で、住民負担額の大きさもさることながら、レベル1ないしレベル2の地震に対して、100%の保証を市ないしは施工会社がするものではないことが分かったというところにある。昨今の建設会社を巡る様々な不祥事を考えるにつけ、住民が不安に思うのは無理のないことなのではないだろうか。1年先であれ、300年先であれ、首都圏直下のレベル2地震非対応ということであれば、ベネフィットとコスト負担は全く見合わないことになる。
  6. 一部の住民の中には建設コストが上がる前に早くやった方が良いいう意見もあったが、逆に、論外の意見として反対者が増えたという側面もあったのではないかと思われる。
  7. 加えて1宅地1格子方式の中でも、土地の幅と奥行き比が1.5を超える長方形格子の場合、地表面の沈下量が大幅に増加するなどのことが、国交省の実験結果でも指摘されており、(これら5-7の住民不安は後段の資料にも指摘されていることでもある。)、やらないよりやった方が良いレベルの話ではなくなった。
  8. したがって、100%の合意は自ずと無理な結果になった。

結果としての結論

最終的に市民が望んでいることは、住まいの安心であり、自助でできる部分としては、お金に余裕のある人は鋼管杭打ちのアンダーピニング等があり、住民の液状化対策としては、地震後の全壊認定による地震保険をフル活用した不同沈下修正という事後対策しか無いのであろう。

他方、公として行うべきことには生活道路のインフラ対策がある。市街地のインフラ(上下水道・道路)の液状化対策は市の責務であり、来年度末にかけて計画中の道路災害復旧工事の中に、国が推奨する地下水位低下浅層工法を市が率先してやるべきことなのだと思う。

地下水位低下浅層工法は地盤沈下なしに施工できると専門家は指摘しており、実際のところ、市内全域の下水道工事では5m強地下水を下げ工事をしているものの、地盤沈下の話はでていないようだ。このことからも地下水位低下浅層工法を施工しても、地盤沈下がないということをいえる。ましてや、国交省ガイダンスにもある、市道の地下3mに有孔管埋設を張り巡らせ下水管連結すれば道路の液状化は限りなくゼロ、ということもあり、コストをかけた地下水の常時くみ上げの必要もなく、結果的に宅地部分の液状化対策に寄与することになる。

格子状地中壁工法にこだわるあまり、結果的に多大な時間と経費を費やし、しかも住民同意を得られない道よりも、並行して地下水位低下浅層工法を道路災害復旧工事に取り入れて行くなどすれば液状化対策の取り組み活動は無駄にならないものと考えます。格子状地中壁工法ありきで突き進み、住民同意の不調から結果的に行政の液状化対策不作為に陥らないよう住民側からの注意喚起の時点にきている様に思えてならない。「世界初」の莫大な費用を伴い、しかも合意あるところだけ実施という考えよりも、公が責任を持って対象区域に実施しうる選択肢をとることが行政の責任ではないでしょうか。




以下に国交省実験データをご紹介します。

戸建て住宅地の液状化対策における格子状地中壁工法の適用に関する実験 概要 [PDF 1.2MB]
というのがあります。

以下の埋め込みpdf中の赤枠部分が大切なポイントです。
首都圏直下地震(レベル2)において、格子状地中壁工法は完璧なものではなく、住民の多くの方は、これで安全といった間違った理解をしているのだとしたら心配です。
地震は予期せぬ時に突然やってきますが、宅地部分はある意味、無対策の方が保険適用上、住民負担ゼロで修復可能という点で安全です(地震保険に入っての話ですが)。問題はライフラインの切断・損壊を起こさない生活道路の液状化対策が本筋であり、その2次的効果として住宅地の液状化防止につながるという冷静な視点が必要と思います。

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